最新の防水型補聴器の中からオススメの3機種を比較して検証しました。防水型の補聴器は梅雨時期や湿度が高い環境の中、急な夕立ちで雨水がかかっても安心できますね。
今回は防水型の補聴器を特徴や機能などを最新モデルの中で比較をします。水の影響を受けやすい職場や運動をしたときの汗が心配だという方にも安心して使うことができる防水補聴器をチェックしてみてください。
補聴器を水没させてしまい壊れてしまった経験がある方、汗が多くて夏になると補聴器がよく故障したという経験があるあなたにオススメなのが防水設計が強化された補聴器です。今の補聴器はほとんど防水加工にすぐれていて、補聴器の故障が多発する夏の時期の故障はほとんど起きていないのが現状ですね。
防水が強化された補聴器なら水に濡れることがあってもかんたんには故障することがありません。ただ完全防水ではないので注意も必要です。
防水型補聴器の用途について
防水型補聴器の用途について説明します。補聴器を選ぶときにみなさん気にされるのが水による故障についてです。精密機械なので水濡れですぐに故障してしまうんじゃないかと心配されると思います。特に耳かけ型補聴器は水にかかるリスクが高いので不安に感じるかもしれません。
水に濡れやすい環境でも安心して補聴器を使いたいという方は防水性が大事になりますね。防水補聴器の用途は日常生活での使用はもちろん、水の影響を受けやすい場所での使用にも適しています。防水補聴器なら水遊びに行くときにも安心できますよ。
水に関係するお仕事をされている方の使用
水に濡れるリスクが高い職場の方には防水が強い補聴器を選ぶのがいいですね。
しかし、防水にも限度があり完全防水ではないので補聴器が長時間水に浸かるおそれがある場合などには補聴器を外すのがいいでしょう。
アウトドアが趣味な方の使用
山登りや川辺などによく行ったり、キャンプが趣味だという方には防水型補聴器の使用がイイですね。日常生活よりも水やホコリの影響を受けやすいので防水加工がされていないと故障のリスクがあがってしまいます。
汗をかきやすい方の使用
スポーツをされたり汗をよくかく人には防水型補聴器が安心ですね。耳あな型補聴器であればまだ影響を軽減できますが、耳かけ型補聴器の使用で防水加工がされてない補聴器であれば故障のリスクがかなりあがってしまいます。汗が多いかたは塩分がふくまれるため、防水型の中でも耳あな型の使用がおすすめです。
防水があるから水につけても問題ないというわけではなく、基本的には濡れないようにして濡れたあとはちゃんと乾燥をするなどメンテナンスをするのが大事です。
防水型補聴器の防水保護について
防水補聴器の防水保護についてご紹介します。補聴器の防水にも種類があり主な種類はIPとHPF80ナノブロック、ナノテックコーティングなどがあります。
ナノコーティングやナノブロックに関しては補聴器の本体と内部の部品すべてにプラズマナノコーティング(プラズマガス化ポリマーコート)をして汗や汚れ、水から保護をしてくれる撥水加工がほどこされているんです。この加工がされている補聴器は内部の部品も水をはじくので加工されていない補聴器と比べたら約80%水濡れ故障が減少しているデータがあります。(NJHによる統計)
IP規格は補聴器の中で一番多く採用されている防水加工です。IP(防水・防塵の規格)はIEC(国際電気標準化会議)に定められている規格で、JIS(日本工業規格)でも多く採用される電気製品に関わる防水・防塵規格です。
Ingress Protection、侵入に対する保護をIPは意味します。IPには2つ数字が付き、前に付いた数字が防塵のレベルを意味し、後ろに付いた数字が防水レベルとなります。
IP 防塵の等級(前に付く数字) | 保護程度 | テスト方法 |
---|---|---|
IP0 | 保護なし | なし |
IP1 | 手の接近からの保護 | 直径50mm以上の固形物体が内部に侵入しない |
IP2 | 指の接近からの保護 | 直径12mm以上の固形物体が内部に侵入しない |
IP3 | 工具の先端からの保護 | 直径2.5mm以上の工具先端や固形物体が内部に侵入しない |
IP4 | ワイヤーなどからの保護 | 直径1.0mm以上のワイヤーや固形物体が内部に侵入しない |
IP5 | 粉塵からの保護 | 機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の料の粉塵が内部に侵入しない |
IP6 | 完全な防塵構造 | 粉塵の侵入が完全に防護されている |
IP防水の等級(後ろにつく数字) | 保護程度 | テスト方法 |
---|---|---|
IP○0 | 保護なし | なし |
IP○1 | 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない | 200mmの高さより3〜5mm/分の水滴、10分 |
IP○2 | 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない | 200mmの高さより15°の範囲3〜5mm/分の水滴、10分 |
IP○3 | 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない | 200mmの高さより60°の範囲 10ℓ/分の放水、10分 |
IP○4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない | 300〜500mmの高さより全方向に10ℓ/分の放水、10分 |
IP○5 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない | 3mの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水、3分間 |
IP○6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない | 3mの距離から全方向に100ℓ/分100kpaの噴流水、3分間 |
IP○7 | 規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない | 水面下・15㎝〜1m、30分間 |
IP○8 | 水面下での使用が可能 | メーカーと機器の使用者間の取り決めによる |
IEC60529(JIS C 0920)保護等級を参照
補聴器で防水が強化されている機種にはIP68がついているので高い防水性と防塵性があるんです。
防水型補聴器の選び方
防水型補聴器の選び方ですが、水濡れで故障してしまうのが心配という方は防水性がイチバン強化されたモノを選びましょう。水濡れの影響を最小限に抑えるためには耳かけ型補聴器ではなく耳あな型補聴器で選ぶこともオススメですね。
耳あな型補聴器は水濡れのリスクが非常に少ないため防水加工がされていないモノもありますが、中には防水加工がついている補聴器もあり、防水加工がされている耳あな型補聴器が一番水濡れでの故障のリスクは軽減されます。
防水補聴器は防水性にすぐれていますが、完全防水ではないため汗や水に濡れたあとのケアには注意が必要です。補聴器本体は防水加工がされていますが水分の付着を放っておくのは危険ですね。とくにプール、海水や汗など塩分を含んだ水に水没させたり、濡れたあとにはしっかり乾燥してケアしましょう。塩素が内部に侵入すると部品の腐食などにつながります。
また、耳かけ型補聴器のRICタイプには外部レシーバーが付属していますが、レシーバーの結合部分は防水の強度がないので濡れたあとのケアを必ずおこなう必要があります。
売れ筋の防水型補聴器をオススメ3機種で比較
オススメな売れ筋の防水補聴器3機種を比較してみます。
補聴器は各メーカーによってそれぞれ防水の強さや使える機能が違います。防水性と機能を比較してみると違いがありますね。
比較機種 | フォナック オーデオM70-R | スターキー リビオAI1600 ITC-R | リサウンド リンクスクアトロ7CIC-W |
---|---|---|---|
防水性 | IP68 | IP67 | ナノコーティング |
ワイヤレス接続 | |||
水濡れのリスクの低さ | |||
補聴器のタイプ | 充電式耳かけ型補聴器 | 充電式耳あな型補聴器 | 目立たない小型耳あな型補聴器 |
バッテリー | 3時間フル充電 約18時間 | 3.5時間フル充電 約23時間 | 約70時間 |
メーカー保証 | 2年 | 2年 | 2年 |
相対評価 | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
おすすめの防水型補聴器の3機種を紹介
フォナック補聴器 オーデオM70-R(Phonak Audeo M70-R)
- スイス
- 耳かけ型RIC
- 2年保証
- リチウムイオン充電池
- ワイヤレス通信あり
フォナック補聴器の最新テクノロジーを採用したマーベルシリーズはクリアでリッチな音質で会話を楽しめる充電式耳かけ型補聴器です。オートセンスOSによる環境にあわせた自動調整やブルートゥース内蔵による通信機能も多彩に楽しめる補聴器となっています。
自宅でも調整を受けれる遠隔サポートにも対応したIP68の強い防水性のある防水補聴器です。
オーデオM70-Rのポイント!
- クリアで高音質な聞こえ
- 環境認識する自動調整
- 高音域をよりサポート
- IP68の防水防塵性能
- 充電で扱いがラク
- Bluetooth内蔵
片耳価格相場 | 412,000円(当店価格はお問い合わせください) |
電池寿命 | 最大約18時間 |
適応聴力 | 軽度難聴~重度難聴 |
指向性 | ウルトラズーム指向性 |
チャンネル数 | 16ch |
オススメ度 | ★★★ |
スタッフのレビュー
フォナック補聴器オーデオM70-RはIP68の防水加工により強い防水性があり、環境にあわせてオートマチックな音質切り替えが可能、Bluetooth通信が可能なのでスマートホンと使えば電話や音楽の試聴もできるのがオススメなポイントです。
オーデオマーベルシリーズはすぐれた音質もあり、防水にもすぐれていますね。しかし、外部レシーバーの結合部分の水濡れには注意が必要になります。
リサウンド リンクスクアトロ7CIC-W(Resound linxquattro7 CIC-W)
- デンマーク
- 耳あな型
- 2年保証
- PR536電池
- ワイヤレス通信あり
リサウンド補聴器のオーダーメイド補聴器リンクスクアトロ7CIC-Wはリサウンドの最新モデルで、小型サイズですがしっかりワイヤレス通信に対応できるモデルです。全自動サポート機能もついているので音質の快適性をよりたもってくれる性能となります。
スマートホンアプリをリモコンがわりに使えたり、便利性も高い補聴器ですね。
リンクスクアトロ7CIC-Wのポイント!
- 全自動サポートで使い心地が良い
- 雨や湿気に強いコーティング
- 臨場感のある音質
- Bluetooth通信に対応可能
- 水濡れのリスクが少ない
- 目立たないサイズ
片耳価格相場 | 340,000円(当店価格はお問い合わせください) |
電池寿命 | 最大約70時間 |
適応聴力 | 軽度難聴~高度難聴 |
指向性 | 無指向性 |
バンド数 | 14バンド |
オススメ度 | ★★★★★ |
スタッフのレビュー
リサウンド補聴器の小型耳あな型補聴器リンクスクアトロ7CIC-Wは水から守ってくれる要素が強い補聴器です。耳あなにおさまり水に濡れるリスクを大幅に軽減してくれ、ナノコーティングと呼ばれる撥水加工によってさらに内部も水を弾いてくれるので安心です!
音質も全自動サポートにより聞きたい声を届けてくれ、ワイヤレス通信もできるので便利性も高い補聴器ですね。
スターキー リビオAI1600 ITC-R(Starkey livioAI1600 ITC-R)
- アメリカ
- 耳あな型
- 2年保証
- リチウムイオン充電池
- ワイヤレス通信アリ
スターキー補聴器から世界で初めての充電式耳あな型補聴器としてリリースされたリビオAIです。スターキーリビオAI1600には人工知能AIが搭載されており、AIの働きによる音質の調整、センサー内蔵によりタッチするだけでカンタンな操作を可能にしています。
ワイヤレス機能も充実しており、ヒアラブルの要素の強い、次世代の補聴器です。
リビオAI1600 ITC-Rのポイント!
- Bluetooth内蔵モデル
- センサー&AIを搭載
- IP67の防水防塵性能
- タッチするだけでカンタン
- 充電式の便利性
- 健康管理や情報アシスト機能
片耳価格相場 | 316,500円(当店価格はお問い合わせください) |
電池寿命 | 最大約23時間 |
適応聴力 | 軽度難聴~重度難聴 |
指向性 | イマージョン指向性 |
チャンネル数 | 16ch |
オススメ度 | ★★★★ |
スタッフのレビュー
スターキーの充電式耳あな型補聴器リビオAI1600 ITC-Rは耳あな型補聴器の中でもIP67を採用した防水防塵に強い補聴器で、補聴器のスペックも人工知能の搭載や便利に使えるワイヤレス通信、聞こえのサポート以外にも自身の健康状態を確認できるサポート機能がついているなど補聴器とは思えない機能も搭載されているトコロがオススメなポイントですね。
ワイヤレスイヤホンのような見た目もデザイン性があり、日常生活では申し分ない防水タイプの補聴器です。
おすすめの防水型補聴器の中でイチオシはコレ!
防水補聴器の中で特に当店のスタッフがオススメするイチオシの補聴器がコチラ!
スタッフイチオシの防水補聴器のオススメ!!
リサウンドの小型耳あな型補聴器リンクスクアトロ7CIC-Wをオススメにあげた理由として、イチバン水濡れの被害が少ない耳あな型でかつ小型タイプであるトコロ、そしてワイヤレス通信が使えたり多機能性もあるためです。
ナノコーティングされた補聴器のボディと内部の部品は強力に水から守ってくれます。リンクスクアトロは水濡れ故障のリスクをとことん抑えてくれる補聴器でしょう。
まとめ
最新の防水型補聴器の機種を比較してご紹介しました。2020年の現在にリリースがある補聴器にはほとんど防水加工がされていてどれも同じようなモノと思ってしまいますが、それぞれでスペックに違いもあり、比較してみるとわかりやすいですね。
防水補聴器として大々的に販売されていた過去の補聴器よりも断然にすぐれている補聴器が増えているので水濡れでの故障で悩まなくてもすみそうですね。
最新の防水補聴器があれば水濡れの不安も減って快適に補聴器を使用できるようになるでしょう。